人魚と海と少年の夏

 出演キャスト様
キャラ名 台詞数
少年 55
人魚 46
モノローグ 2


役名 番号 台詞
▼登場人物
・少年
・人魚
どこか南のほう、真夏の海の上。
少年 001_001 「うえぇ、酔った~……」
少年 002_002 「少し外の風を浴びよ……」
少年、船内から甲板へ。
少年 003_003 「くそぉ~……せっかくの夏休みなのに、なんだってこんな旅行しなきゃいけないんだ……」
少年 004_004 「飛行機で沖縄に来るのだって時間かかったのに、そこからさらに二時間の船旅だとぉ~」
少年 005_005 「人が住んでるかどうかだって定かじゃないのに……うぷっ……ああ、やばいやばい……」
ざぱーん。べちっ。
後方から水しぶきのような音が聞こえる。
少年 006_006 「ん?なんだ、今の音……」
様子を見に行く。
少年 007_007 「んなっ……船の上になんか打ち上がって……?」
人魚 008_001 「うふ……うふうふ……やっと乗れた……大きな船……豪華客船……」
びちびちびち。
少年 009_008 「魚……人!?は、半魚人!?」
人魚 010_002 「あら、あらあらあら、失礼な人間の子供ね。半魚人ですって?なんて乏しいボキャブラリーなのかしら。人魚よ人魚、マーメイド!」
少年 011_009 「にんぎょ……うさんくせぇぇぇ、この上なくうさんくせぇぇぇぇぇぇ」
人魚 012_003 「う、うさんくせえ!?見なさいよこの華麗なる鱗の綺羅びやかなこと!翡翠色の美しいボデーを!」
少年 013_010 「いや……うんまあ確かに、良く出来ていると言えば良く出来ているなぁ……上半身と下半身の繋ぎ目も自然だし……」
少年 014_011 「それにこの鱗、まるで本物みたいだ……しっとりとしたぬめりもあって……」
人魚 015_004 「尾びれバズーカっ!!」
ばっちーん!(少年に尾びれヒット)
少年 016_012 「あぶぅっ!!」
少年 017_013 「い、痛いっ、何するんですか!」
人魚 018_005 「必殺、マーメイドタイフーンよ」
少年 019_014 「尾びれバズーカって言ってませんでした!?」
人魚 020_006 「マーメイドタイフーンのほうがそれっぽいから変えたの」
少年 021_015 「そんなの、始めからちゃんと決めておけばいいのに……ってそうじゃなくて!」
少年 022_016 「なんで突然尾びれバズーカなんですか!?」
人魚 023_007 「乙女の下半身に勝手に触るからじゃない。あとタイフーンだっての」
少年 024_017 「あ……それはなんか、そうか……失礼しました」
人魚 025_008 「わかればよろしい」
少年 026_018 「……本物なんですか?」
人魚 027_009 「何が?」
少年 028_019 「これですよこれ。下半身」
ぺちぺち。
人魚 029_010 「バルカンキーック!!」
ばっちーん!(少年に尾びれヒット)
少年 030_020 「ごげふゥッ!!」
少年 031_021 「痛いじゃないですか!今の尾びれバズーカだし!!」
人魚 032_011 「馬鹿ね、尾びれの角度が微妙に違うのよ」
少年 033_022 「そうなんですか……」
人魚 034_012 「っていうか気安く触らないでって言ったばかりでしょ」
少年 035_023 「すみません、つい……」
人魚 036_013 「どっからどう見ても本物じゃない。もう一回人魚スプラッシュスペシャル食らいたいの?」
少年 037_024 「いえ、食らいたくないですけど……その、人魚スプラッシュなんとかはまた角度が違うんですか?」
人魚 038_014 「唾を吐くわ」
少年 039_025 「全然違った!むしろご褒美だった!」
人魚 040_015 「それはもうアルパカの如く……今何か言った?」
少年 041_026 「いえ、何も……」
少年 042_027 「じゃあ人魚さんは、人魚なんですか?」
人魚 043_016 「いい具合に混乱してるセリフね」
人魚 044_017 「そうよ、人魚さんは人魚なの。人魚に会えるなんて千載一遇に感謝しなさい」
少年 045_028 「はあ……ずっと海で暮らしてるんですか?」
人魚 046_018 「そういうことになるわね」
少年 047_029 「……じゃあ、その胸を覆ってるおしゃれなビキニはどうしたんですか?」
人魚 048_019 「え、これ?何かヘン?」
少年 049_030 「どう見ても陸上で売ってる市販品に見えるんですけど……」
人魚 050_020 「そうね。海水浴客からもぎ取ったからかしら」
少年 051_031 「泥棒だった……」
人魚 052_021 「やめてよ。人聞き悪いわね」
少年 053_032 「あ、じゃあちょくちょくビーチで水着が失くなっちゃったーっていうアレは……」
人魚 054_022 「おおよそ人魚仲間の仕業だわね」
少年 055_033 「窃盗団だったんですね……」
人魚 056_023 「バズーカいる?」(にこにこ)
少年 057_034 「やめてください」
少年 058_035 「………」
人魚 059_024 「……?何よ、じっと見つめちゃって」
人魚 060_025 「や、やだ……私があまりに美しいからって……」
少年 061_036 「ということは、こっち半分は魚なんですよね」
人魚 062_026 「そ、そうだけど、無視されると結構傷付くわね」
少年 063_037 「………」
人魚 064_027 「何?」
少年 065_038 「……今捌いたらお刺身になるんですか?」
人魚 066_028 「やめなさいよ!!なんて恐ろしい子!!」
人魚 067_029 「わ、私のこの美ビレが(少年
少年 068_039 「いや、じょ、冗談ですよ、冗談……」
人魚 069_030 「襲いかかったらこの美ビレで叩き殺すからね……」
少年 070_040 「そんな物騒な……」
人魚 071_031 「たまにいるのよね……人魚食えるんじゃないかって思ってる人……」
少年 072_041 「怖いなら船の上なんかに上がってこなきゃいいのに……っていうかどうやってこの高さを上がってきたんですか?跳ねて?」
人魚 073_032 「そんなに跳ねられるわけないじゃない。この二本の腕でよじ登ってきたのよ」
少年 074_042 「ニンジャブラックもびっくりの力技ですね……」
人魚 075_033 「一発じゃ足りないくらいのファイトよ」
少年 076_043 「そんなことまでしてこの船に乗りたかったんですか?」
人魚 077_034 「うん。豪華な客船ってどんなもんかと思って」
少年 078_044 「……それだけ?」
人魚 079_035 「やっぱりお子ちゃまね。何にもわかってないわ」
人魚 080_036 「こうやってたまに船なんかに乗ってゆっくりすると、風を感じるのよ」
人魚 081_037 「私達は水中は自由に泳ぎまわることができるけど、陸にも上がれないし空も飛べない」
人魚 082_038 「普段の生活では風を感じることなんてないのよ」
人魚 083_039 「科学の力で堂々と進んでいく船に乗って、全身で風を感じることはとっても気持ちいいの」
人魚 084_040 「その点では、海にももぐれて空も飛べる人間は羨ましい」
人魚 085_041 「空を飛ぶってどんな感覚なのかしら。いつか味わってみたいわ」
少年 086_045 「人魚さん……」
船の汽笛が鳴る。
人魚 087_042 「あら、そろそろ着くみたいね。私は下りなきゃ」
人魚 088_043 「じゃあね、人間の子」
少年 089_046 「あ、あのっ……」
人魚 090_044 「なあに?」
少年 091_047 「僕はフウタって言います。大きな風という意味です」
人魚 092_045 「あら、じゃあ風を楽しめる子なのね」
人魚 093_046 「私の名前はメル。ふふっ、またどこかで会えたらいいわね」
少年 094_048 「あ……」
ざぱーん。
少年 095_049 「行っちゃった……」
柵から水面を眺める。
少年 096_050 「メルさん……か」
少年 097_051 「………」
少年 098_052 「そうか、風を楽しむ……」
ふと顔を上げる。
少年 099_053 「あ、ほんとだ。もう島に着く……」
少年 100_054 「………」
少年 101_055 「気持ちいい風だなぁ……」
モノローグ 102_001 (その出来事があってから僕は、二度と船で酔うことはなくなったのだった……)
モノローグ 103_002 (人魚と海と、そんな不思議な僕の夏。)
おわり


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